島根県安来市にある、実業家 足立全康氏が創設した1970年開館の美術館。
「庭園もまた一幅の絵画である」
この言葉は、創設した足立全康氏のもの。
これが、足立美術館を表しているといっていいだろう。
足立美術館は50000坪の日本庭園を有しており、枯山水庭、苔庭、池庭、白砂青松庭など見所が様々。
その中でも白砂青松庭は、足立全康氏が好んで作品を収集した横山大観の「白沙青松」をイメージして作られた。白砂の丘陵には、右に黒松、左に赤松を配置させ、対照的な調和美を生み出している。
足立美術館は、約2000点の日本画を所蔵していて、時期により展示がかわり、
私の行った秋季特別展(2022年8月31日~11月30日)では、「竹内栖鳳 京都画壇の俊英とともに」が開催中だった。
もちろん、横山大観はまた特別展示室があり、常設展示している。
庭園を鑑賞するためにだろう、美術館は奥に長い構造になっているが、
受付でもらうパンフレットや、館内にもきちんと順路が示されており、鑑賞し易くなっている。
美術館内は庭園を鑑賞しやすくするため、大きく窓を取っているのだが、ガラスの存在を忘れるほどだ。
これはガラスにも鑑賞しやすくする秘密があり、光を反射しにくい「低反射ガラス」を使っているのだそう。
そういった鑑賞者を思った作りもとてもいい。
足立美術館は、開館40周年を迎えた平成22年に新館がオープンしており、
新館の方では、現代日本画を展示している。(休館の場合もあるので確認が必要)
私は、主に竹内栖鳳を目当てに美術館を訪れたのだが、
現代日本画もとても面白く鑑賞することができた。
日本画には西洋画、油彩画とは違う味わい、世界感がある。
空気感だったり、色彩の出方も違う。
その作者各々の表現に、いちいち魅了させられる。
庭園ももちろんだが、日本画も十二分に味わえる美術館、是非行っていただきたい。
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