枕が変わると寝れない質の私だが、疲れていたからか、珍しくすんなり眠りにつき、朝までぐっすり眠れた。
考えると、6月から毎月のようにちょっとした旅行にいっている。
楽しむためなのはもちろんだが、ある意味仕事でもある。
人生を楽しむという仕事。なんつて。
朝はホテルのバイキングがあったから、7時過ぎ頃行ってみた。
そんなに広くないバイキング会場に、人がごったがえしている。
外国の旅行者はもちろん、ビジネスマンらしき男性らも多かった。
自分の席を確保しつつ、少し並んで朝食を取る。
実家にいるときは、ほぼ朝食はご飯だったのだが、一人暮らしをして、パン派に変わってしまった。
コメダにに行くことも原因として大きいと思う。
久しぶりに朝食にご飯もありだったけど、パンのラインナップが多くて、結局パンを取っていた。
欲張ってパンとジャム類を全種類とり、ひたすらもくもくと食べた。
1泊2日だし、昨日来て今日には帰るのだが、なんだか寂しい気もする。
でも、今日は念願のルドン展を観に、岐阜県美術館だ。
楽しみだな、と思いながらバイキング会場をあとにする。
宿泊料金は前払いしていたから、チェックアウトは部屋のカードを返すのみ。
ホテルをあとにして、JR岐阜駅へ向かう。
駅から美術館前を経由するバスがでているのは調べ済み。
6番停車場の市橋行きに乗る。
荷物も抱えての移動は結構疲れるが慣れてしまった。
JR岐阜駅から、バスに15分くらい乗って、「県美術館前」で降りる。
看板をみて、本格的に楽しみになってきた。
ホントに岐阜まで来たんだ、私。そう思いながら。
白を基調とした外観、中に入っても、天井が高く明るい。雰囲気がとても良いと感じた。
壁には、岐阜県美術館の館長である、日比野克彦さんのアートワークもあった。
映像で、そのアートワークが作られているところが流してあり、それも面白い。
オディロン・ルドン展と同時に、岐阜出身の画家、山本芳翠展も開催していたので、もちろん観ようと思った。
2展セットのチケットを購入し、まずは山本芳翠展から。
正直、存じ上げない画家であった。
また、実は私は少し日本の洋画家に苦手意識がある。
何故なのか、日本人らしさがないように感じるからだ。
これは、本当に私自身の偏見でしかないのだが、真似っこの域から出ていない気がしてしまう。
でも、この山本芳翠展を観たら印象が変わった。
確かに、ヨーロッパへ留学し、洋画を一生懸命真似てきた。
しかし、要所要所で、日本人らしい繊細さがあるのを感じた。
モチーフの面白さも、あったと思う。
完全に、ヨーロッパの洋画から昇華したものだと感じた。
美術館に来ることでの一番の喜びは、もちろん自分の好きな画家の作品を生で観れるということだが、
もう一つ、今まで出会えてなかった”素敵な作家””素敵な作品”に”偶然に”出会うことだ。
地元にばかりいたら出会うことがないものに、
”偶然に”出会うきっかけが、美術館巡り旅行なのだ。
話が少し反れてしまった。
次は、待ちに待ったオディロン・ルドン展。
私のルドン作品のイメージは、「黒」「奇妙」
でも、どことなく愛嬌を感じてしまう感じ。
展示の冒頭は、色彩のある洋画から始まる。
なんだか、もの悲しいような、繊細な感じを受ける。
ちょっとしたギャップだが、なんだかよくわからないが、”らしい”とも思ってしまった。
中盤は、ルドンの黒の世界が続く。
これよね、そう思いながら、丹念に鑑賞する。
「奇妙」ほんとに。けど、なんか「かわいい」
ちょっと、人間のようなものは、漫画『進撃の巨人』の奇行種に見えなくもない。
岐阜県美術館はオディロン・ルドンの作品を数多く蒐集していて、銅板画では、同じ作品の色合い違いも展示してあり、それも面白かった。
黒のゾーンを抜けると、また色彩鮮やかなゾーンに入る。
色々な花瓶に差されている、さまざまな花たち。
ルドンは、どういう眼差しで、この花瓶と花たちを見ていたのだろうか。
そんなことを考えながら、それぞれの作品を観ていた。
あっという間に、展示を見終わってしまった、という感じだった。
やっぱり、来てよかった。心底そう思った。
会場から出て、少し休憩しようと、喫茶スペースに行く。
立派な彫像にに見守られながら、一息つく。
結構、美術館には結構人も来ていて、なんか賑わっているように感じて、居心地がよかった。
私は大体、美術展に来たら、図録を購入するのが定番だ。
だが、オディロン・ルドン展の図録は予約制になっていた。
予約するために予約用紙に記入、レジの人へ渡す。
もちろん、山本芳翠展のものも購入。
ちょっと名残惜しさを感じながら、帰りの飛行機のこともあるので、美術館をでてバス停へ向かう。
ガタガタ道ばかりだったからか、待ってきているスーツケースの車輪が一部壊れてしまった。
まあいいか、それも思い出だ。そう思い、美術館をあとにする。
旅行を好き勝手出来るほど、金銭的に余裕があるわけでは正直ない。
けれど、こういう心が満たされる経験をしてしまうと、また、また行きたいとなってしまう。
このレポートで、良さが伝わったかはわからないが、私がこの旅行に行ってよかったと感じていたことだけでもわかってもらえたと思う。
帰りは、余韻に浸りながら飛行機に乗り、現実世界へ戻ってくる。
よし、仕事頑張っていこう。
そして、またこのような感動をもらう旅行が出来たらと思うのだった。
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