先日東京に行った際に、どうしても行きたかった『須田悦弘展』へ行ってきた。
須田悦弘さんについて少し…
須田悦弘さんは、1969年山梨県生まれ。
92年に多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。
上京をきっかけに、都市の中の自然のありように注目するようになった。
木彫によって生み出される精巧な植物の彫刻作品は、インスタレーション(室内、屋外に設置して、その空間や環境を体験する芸術)として展示されることが多い。
※ 美術手帖掲載のものを参考にしました
私はそもそも須田悦弘さんを知らなかったのだが、Xでたまたま掲載されている作品をみて、
「絶対これは生で鑑賞するべき!」と思った。
偶然にも、東京に行く機会があったし、この『須田悦弘展』に行くことは絶対的な予定になっていた。
この『須田悦弘展』が開催される渋谷区立松濤美術館自体も、一度は行きたいと思っていた。
松濤美術館の開館は1981年、歴史もある美術館。
紅味を帯びた韓国産の花こう岩(紅雲石)の外壁にブロンズ製のグリルと化粧垂木、銅板葺きの屋根からなる。建物の中央に噴水のある外部吹き抜けを展示室が円形に囲む、とても素敵な建物だ。
(一部Wikipediaから引用)
渋谷駅から井の頭線に乗り換えて、神泉駅で降りる。
渋谷駅から1駅なので、そう遠くはない。
神泉駅を降りたところは住宅街、そこからも美術館までは住宅街なので、少々道に迷うが、美術館の近くに来ると、初見であっても遠目で松濤美術館だとわかる趣き。
美術館前の、案内を掲示するところを、美術館に来られていたであろうご夫婦が、一生懸命写真で撮って、ニコニコされていた。
きっと仕掛けが何かあるのだろう。その仕掛けは後で見ようと思い、美術館内に入館する。
前情報で、思わぬところに作品があるということを聞いていたから、全部見逃さず観たい、と気合をいれ鑑賞に入る。
作品の設置場所は、説明の紙があったので、それを確認しながら回る。
この展示スタイルで、どこに何があったと言ってしまったら、面白みがないと思うので、あえて作品の詳しいことは避けることにする。
説明の紙があるので、見落としはないが、本当に「あれ?こんなところに」なんてところに作品があるから、宝探しをしているようで、楽しい。
一部だが、作品を載せておく。
実際、自分の目で見ても、この作品が木彫であるなんて、ホントに信じられないほどだった。
繊細で、かつなんとなく力強い。
本当に、ここに存在しているかのようだった。(作品としては存在しているが)
あと、スケッチ作品もあった。
十六茶やニッカのお酒のラベルなども手掛けているみたいだった。
このスケッチもとても繊細だ。
鑑賞に囚われて、建物の美しさを十分鑑賞してくるのを忘れてしまったのは、もったいなかった。
中が外部吹き抜けの円形の建物だが、1階部分は橋渡しのように通路がある。
そこを通りたかったのをすっかり忘れるほど、作品探しに夢中になってしまった。
一度しか行けないわけではない。また行く理由ができたと思うことにする。
余韻を残しながら、美術館を後にするが、
そういえば、私が美術館に着いたときに、ご夫婦がニコニコ見ていたものは何だったか確認してみようと思い、覗き込んでみる。
何があったかは、『須田悦弘展』を鑑賞しに松濤美術館へ来た人だけの楽しみにしておこう。
少し慣れない靴で、歩いてきたが、やっぱり来てよかった。
写真で観るものと、実際に観るのとでは、本当に違う。
「また一つ、素敵で好きなものが増えた」
そう思いながら、また神泉駅へ向かっていった。
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